お中元の季節。高級フルーツ売り場には化粧箱が並びます。光り輝くシャインマスカット。キレッキレ網目のメロン。そして淡いピンクの頬紅をさした桃。
代表的な桃の産地は、山梨・福島・長野・山形・和歌山・岡山。この6県だけで全国の約8割の桃を生産しています。中でも私の友人が住む岡山の白桃のブランドは昔から別格です。学生時代に知り合い地元に戻って就職した友人とは、今でもお互い行き来しています。それでもコロナ禍の2年は会えずじまいなので、代わりに今年は素敵な贈り物をしてくれました。そんな時折、お中元に桃を送ってくれる39年来の付き合いの友人を家族は親しみをこめて「桃王子」と呼んでいます。
箱を開けると、初々しい産毛に包まれて、鎮座する贈り物から上品な甘い香りがして鼻をくすぐります。食べ頃までは少し早いため室温で追熟が必要になります。箱からそろりと取り出しガラスの器に盛っておきましょう。その姿を眺めながら、今か今かと毎日食べ頃になることと共に「桃王子」との再会も心待ちにしています。